dayslater’s diary

洋書絵本の紹介およびレビューをしています

Goodnight Moon おやすみなさいおつきさま

日本語版は 瀬田貞二さんの訳。瀬田貞二さんは『三びきのやぎのがらがらどん』『ナルニア国物語』『指輪物語』など欧米の絵本や児童文学の翻訳、子どもの本の評論や研究をされた有名な方です。

私が小さい頃母は『三びきのやぎのがらがらどん』とルドウィッヒ ベーメルマンスの『ちいさなマドレーヌ』をよく読んでくれました。私はこの二冊の絵本が大好きでした。多分この2冊は今でも好きな絵本のベスト5に入る2冊です。

もちろん小さい頃は誰が翻訳をしているかなんて気にも留めていませんでしたが、これらの本は絵もさることながら日本語の耳にすっと入てくる美しいリズムが何よりも好きでした。後にベーメルマンスの英語版も読みましたが原作の文も非常に美しくて感激しました。

というわけで瀬田貞二先生は私が超リスペクトする大先生で、先生の本は片っ端から読んだのですが、この『おやすみなさいおつきさま』だけは翻訳が非常に難しかったのではないかと私は勝手に推測します。正直日本語版を初めに読んだとき拍子抜けしてしまったのです。なぜこれが名作と呼ばれるのか、と。それでも私の子どもはわりとこの本が好きだったようで、寝かしつけをさせるときに本のように部屋の中にあるものを次々と「おやすみなさい○○」と言っていくとよく寝てくれました。

後に英語版を読むとなぜこの本が素晴らしいのかがよく分かりました。英語版に出てくる文章は韻を踏んでいるのですよね。

mittensとkittens

spoonとmoon

絵本は挿絵が入るので意訳したくても出来ないことがあるので流石の瀬田先生もこの本の翻訳には苦労したのではないかと…。

この本に限らず日本語への翻訳が難しくてオリジナルの魅力が少し薄れてしまう本は少なくないと私は思います。

日本語と英語両方読み比べてみるとよいかもしれませんね。

 文章はとても簡単なので0歳から3歳向きです。

 

 【日本語版】

おやすみなさいおつきさま (評論社の児童図書館・絵本の部屋)

おやすみなさいおつきさま (評論社の児童図書館・絵本の部屋)

  • 作者: マーガレット・ワイズ・ブラウン,クレメント・ハード,せたていじ
  • 出版社/メーカー: 評論社
  • 発売日: 1979/09
  • メディア: 単行本
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 【英語版】

Goodnight Moon

Goodnight Moon